2009.6.26 環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見
2006年6月26日 環境省へ「環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見」パブコメ提出しました
環境省HP
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11217
意見内容:
現在の日本で行われている環境影響評価は、その理想と目的と裏腹に現状は、そのほとんどがいまだに該当事業を促進するための、いわゆる“アワスメント”のままで、本来の環境アセスが実行されていない。
特に該当事業者が、県など行政だった場合、それが明らかである。
市民団体である当会が取り組んでいる、埼玉県による「彩の国資源循環工場」についても同様。(その事業が軌道にのっていないにも関わらず、今年度「彩の国資源循環工場第鵺期事業」についてアセスを行う予定であるが、現状を分析すれば、この事業を行うこと自体が、税金のムダ遣いであることは明白である。効果検証として現状分析を、当初、第三機関にさせたが、その結果が思わしくなく、アンケートですませてしまった)
制度を、現実の環境を保全するのに効力のあるものにし、現状の、絵に描いた餅で終らぬようにしてほしい。
「彩の国資源循環工場」について
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BA00/asesu/2_jirei/J012/fEIS/J012_table3.pdf
・トウキョウサンショウウオなど貴重な動植物があったが、他の場所で飼育という方法では、環境を保全しているとはいえない。本来であれば、その場所の開発を回避すべきであるし、または、新たにその種が“自然に”生育することの出来る代替え地を“創造”しなくてはいけないが、それがなされていないので、以前の環境が保全されずに、結局環境が破壊されたままである。
・大気・悪臭の測定箇所が東西南北でなく、一方に偏っており、現状を反映していない。
・排水がないから河川の水質事後調査はしないということだったが、操業1年で、排水による鉛、ホウ素、ダイオキシンなどの水質汚染があった。
・工場なので、土壌測の事後調査もしないということだったが、鉛・カドミウム・六価クロムが大量に含む黄色い物体が煙突から出て、敷地を汚染した。その後も事後調査などしていないので、土壌の現状を知ることができないままである。
・小山や谷津のいりくむ複雑な地形であるにもかかわらず、平地での大気拡散法を用いているので、風向・風速などの現状が反映されない。よって、分布図、最大濃度地点などが現状とかけ離れたものである。
・大気・悪臭の事後調査観測地点が、風のあたらない場所などに設置されているものがいくつかあり、これらの数値が信頼できない。
などなど、事実を挙げればきりがない。
「彩の国資源循環工場第鵺期事業について」
・戦略アセスを行ったが、本来の戦略アセスではなく、この事業を進めるための、子どもだましのようなあまりにも稚拙なものがまかり通っている。
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BA00/asesu/2_jirei/S003/report/S003_table2.html
・現在、環境アセス作成のため、大気調査をしているが、その地点が該当敷地からはずれており、該当敷地と地形が違うところで測定しているため、その風向・風速などは現状が反映されない。これをもとにした分布図や最大濃度地点が現状とかけ離れたものになる。
このようないまだに“アワスメント”が行われているのは、なにもここ埼玉県だけではないであろう。このようにして日本の生態系は、環境アセスにより、確実に破壊されている。
現在の環境影響評価制度は形骸化されており、日本の貴重な生態系を守ることができない。
昨年、環境アセス学会を傍聴したが、アセスをどうするかではなく、その事業を進めるために、いかに住民をまるめこむかというノウハウが話題になっており、愕然とした。本来の環境アセスを、実行させることのできる制度にするべきである。
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