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2008年11月21日(金曜日)

2008.11.10 彩の国資源循環工場 第鵺期事業 環境影響評価計画書に対する意見書

カテゴリー: - kato @ 12時44分16秒

平成20年11月10日

埼玉県 埼玉県知事 上田清司殿

彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば 代表 加藤晶子

対象事業の名称:彩の国資源循環工場第2期事業

1)第2章 1 “平成15年度の埼玉県における他都道府県からの中間処理を目的とした流入量は(中略)全国第1位”であるばかりか、その後平成16年、17年、18年まで連続第1位。ここで重要なのは、中間処理目的ということで、中間処理とは焼却・破砕・圧縮などであり、最終処分=埋め立てではない、ということ。ですから、表題に“埼玉県外廃棄物の流入に伴う最終処分の県外依存”とあるが、まったく見当違いであり、埼玉県への中間処理目的の産廃流入量を他県で例のあるように制限すれば、自ずと県外への最終処分量が減ります。ですから埼玉県は、この産業廃棄物流入量をまず減らす努力をしなくてはならないのです。
 さらに、平成15年、16年、17年と埼玉県への産廃流入量が増えている中で、実際はこの埼玉県環境整備センターにおける埋立量は年々減っているのが現実なので、第2章(3)本事業の必要性 “今後とも、県内における安定的な最終処分の受け入れ先を確保することが必要。”とあるのも、詭弁であることが自ずとわかります。

2)第2章 3 対象事業の実施区域 と第5章(5)4住宅に、“計画地南側の西ノ入地区、五ノ坪地区、木呂子地区には住居が立地している”とあるが、以下の指摘は、一年前の戦略アセスでも指摘したにもかかわらず、未だに修正していないのは、このいわゆる迷惑施設を建設計画するにあたって、地元寄居町住民を愚弄しているとしか思われない、埼玉県担当職員の職務怠慢である。
 1.この表記では、西ノ入五の坪地区でこの計画地境界に住宅がある事実が見えてこない。
 2.計画地南に隣接して五の坪地区、があり、山居地区があり、南西に隣接して栃谷地区がある。
 3.上記3地区はすべて西ノ入地区内にあるので、この表記の仕方はおかしい。
 4.さらに誤字があり、五ノ坪地区ではなく、五の坪地区である。
 5.小川町は本計画地には隣接していない。“計画地周辺と南側に隣接する小川町は、細かく谷が入り込む山地”は間違い。
 6.南〜南西に隣接している上記3地区を含む寄居町西ノ入地区であり、小さな山と谷がいり込む谷津地形のいわゆる里山である。“計画地周辺と南側に隣接する小川町は、細かく谷が入り込む山地”は間違い。
 7.第5章(5)4住宅 “住居系の用途地区は2KM以上離れている”という表記は、地元住民をないがしろにするもので、誤解をまねく。

3)第2章 6 3案出されているが、本来アセスは、この計画を行わない場合と比較しなくてはいけない。また、ハビットなどの手法で、現在ある生態系の質を保つ手だてを複数用意するべき。
 第2章 8(4)動物・植物・生態系関係 で、“保全すべき種、着目種及び関係種については、生活史や生息・生育環境を考慮し、計画地及びその周辺における保全すべき種の生息・生育環境保全、生態系保全を図る。また、必要に応じて保全すべき種や着目種の移植などの措置を検討する。”とあるが、これについても同じ。言葉だけでなく、実際に、本来のアセス対策を講じるべきである。彩の国資源循環工場第1期事業でのアセスについて、埼玉県環境影響評価委員会でも、委員からの指摘のあったように、工場稼働ではなく、工事施工に対しての事後アセスの生態系について、本来のアセス対策を講じるべきだった。

4)第2章 6(3)工業団地整備 にて工業団地の立地予定が3つあるが、本来ここは、通常の県営工業団地を建設するとして埼玉県が地元住民から買い上げた土地である。その後埼玉県は、産廃の中間処理施設などに変更してしまっている。未だに埼玉県から、元地権者へ目的変更の説明がない。これを民間が行ったら“詐欺行為”といわれてしまうものを、行政ではまかり通るとでもいうのであろうか?

5)第2章 6(5)道路計画 で“折原地域から埼玉県環境整備センター内の道路に接続し、国道254号まで繋がる計画”とし、また、第2章 6(9)交通計画 “埋立処分場及び工業団地を利用する大部分の車両は、国道254号から進入する計画である。”としているが、一般の車が無許可で、計画の産廃中感処理施設や廃棄物埋立て場に入れてしまう状態は、いかがなものか?不法投棄、または参加企業による無許可の廃棄物搬出入が可能になってしまう。
 “埋立処分場及び工業団地を利用する、全ての車両について、国道254号から進入するようにし、全ての車両が、そこにある受付で確認できるように、一元化しなくては、その安全性が確認できず、環境整備センターと彩の国資源循環工場での稼働の安全の保証ができない。

6)第2章 6(7)埋立処分場浸出水 “浸出水をポンプアップし、送水する。”とあるが、この計画地から環境整備センターの浸出水処理施設まで、約2km離れている。この間、パイプ管で送水するが、この計画地と環境整備センター用地は、第5章)図5.2−6にもあるように、断層や破砕帯が数多く走っている複雑な地形です。
 また、寄居町小川町は深谷活断層の層の面の上に乗っている。約70年前の「埼玉西部地震」では、寄居町小川町とも甚大な被害を受けている。埼玉県でもこの活断層では今後震度7レベルの地震の可能性があるとしており、さらに、最近の新聞での発表では、現在予測されている活断層による地震レベルよりも多大になるとしている。
 地震発生時には、断層や破砕帯は、2m〜10m以上の前後左右の差が生じると専門家も指摘していることから、排水処理前の浸出水を送水するパイプ管はもとより、遮水シートの破砕・亀裂、また、漏水検知システムの破綻が想定される。漏水検知の地震による破綻は、新潟県での廃棄物処分場での中越地震時の例がある。
 これらのことから、この計画地での廃棄物埋立て処分場の安全稼働が保証されない。地層が粘土質で、活断層の面の上でなく、断層や破砕帯のない地形の場所が最終処分場計画に適している。
 第2章 8(3)地盤、地象 で、“ボーリング調査結果に基づき、地盤性状に合わせた適切な工法を選定する。”とあるが、前述について検討すべきである。

7)第2章 6(7)雨水排水 で五の坪川を予定しているが、ここには、埼玉県の希少生物であるホトケドジョウが生息している。
 また現在、環境整備センターでの浸出水処理後の排水を塩沢川に流しているが、その排水直下で2回水質調査したところ、亜硝酸について高濃度の異常値が出た。これは、排水処理が規定通りに行われていないことを意味する。
この場を借りて報告し、また、別途詳細を報告するが、埼玉県には、放流水の亜硝酸について再検討していただきたい。

8)第3章 表3−2 環境影響要因と調査・予測・評価項目との関連表 
 1.水質項目で、“施設の稼働”で、 水質・底質項目が足りなすぎる。廃棄物埋立て施設であるので、水質・底質・土壌項目は欠かせない。
 2.工業団地稼働についても、「第1期事業の排水はない」と事業者・埼玉県の主張であったが、現実には工場からの排水から鉛・ホウ素・ダイオキシン類・水素イオン濃度に
ついて異常値を出している。また、全国的にも通常の工場からの排水、土壌から重金属類や揮発性化学物質が大量に発生している事例が多いことは、環境専門家だけでなく、一般の人たちまで知っている。
 廃棄物埋立て施設稼働と工場稼働について、水質・底質・土壌を調査しないということは、生態系・農作物・井戸水などの周辺環境や周辺住民の健康が脅かされている事実を隠蔽する行為である。
 3.悪臭で、廃棄物処理施設周辺で化学物質過敏症の事例や、最近の研究で発表されている、特定悪臭物質だけでなく、環境ホルモン類、VOCを加えるべき。

9)改正原子炉等規制法により、原発の解体で出る放射性廃棄物のうち、放射線レベルが一定値以下の金属、またはコンクリートを一般の産業廃棄物や資源ごみと同様に扱うようになり、一般の道路舗装材や建築材としてリサイクルされる。2007年茨城県東海村の日本原電東海原発の解体工事に伴い発生する放射能性物質廃棄物を一般廃棄物として処理され、リサイクル製品化されています。今後、ここ彩の国資源循環工場でも想定できるので、第3章 
表3−2 環境影響要因と調査・予測・評価項目との関連表 で、廃棄物最終処分場稼働と、工場団地稼働における放射能性物質についても測定しなくてはいけない。

10)第4章 表4−1 大気質の気象で1年間連続測定する地点について、計画地周辺1地点であるが、これは第2期事業についての基本データとなるもので、第2期事業計画地と第1期用地の周辺環境は明らかに違う。例えば地形が違うので風向が違うので、1年間連続測定する気象については、第2期計画地内の1地点で行わなくては、正確な数値(データ)とならない。

11)第4章 1大気質 図4.1−1 観測地点に偏りがある。
 1.一般大気質・悪臭 西の地点は、線路と道路を超えておりさまざまな影響を受けてしまうので、線路と道路を超えない地点に。また、北の地点は、標高の高い場所より先となっているので、これも大気を遮断するなどの影響が考えられるので、標高の高い場所より手前とすべき。また、東に地点がないので、住宅地のある小川木呂子地区に南東の地点を設けるべき。また、東をフォローするため、第2期と第1期に挟まれた東北の地点を設けるべき。
 2.沿道気象大気質に西、南の地点がないので、設けるべき。
 3.上層気象は、第2期事業についてのものであるので、第2期事業計画地内でおこなうべき。

12)第4章 騒音・低周波 図4.2−1 観測地点に偏りがある。
 1.西の地点は、南に寄りすぎて距離も離れているのでもう少し北に移動し、正確に西とすべき。
 2.東に第1期事業用地で出来ないのであれば、それをフォローするため、第2期と第1期の境界線近くの東北と東南の2地点で行うべき。

13)第4章 騒音・低周波 図4.2−1 騒音・低周波音、交通量、振動調査地点
 1.環境騒音・環境振動、低周音波地点は、南北は適切だが、西地点は南に寄りすぎているので、工場や処分場により近い正確な値の出るであろう、もう少し北に寄せ、正確な西地点とすること。
 2.東に第1期事業用地で出来ないのであれば、それをフォローするため、第2期と第1期の境界線上の東北と東南の2地点で行うべき。
 3.道路交通量、道路交通振動、交通量は、北星社北側の今後交通量が増えるであろう道路での地点を増やすべき。
 4.また、今後第2期予定地から道路を増やすのであれは、その進入地点でも行うべきである。

14)大気質と悪臭での調査方法について “既存資料の収集または現地調査により行う”とあるが、第2期の南西〜南〜南東は、小山と谷の入り込む谷津地形なので風向・気象が、平地とまったく違い、さらに、第1期に面した山地がホンダ開発によりいくつもの山が消えているので、第1期の調査の頃とは風向、気象がさらに変わっていることなどから鑑みて、必ず現地調査で行うべき。

15)大気質と悪臭での予測方法について “大気拡散式(プルーム・パフ式)”を用いるとあるが、これは各専門家からも指摘のあるように、平地での拡散式である。大気についてはこれに“ヴァレイモデル等により地形の影響を考慮する”とあるが、同じ場所についてのことなので、悪臭についても同様とすること。
 しかし、ヴァレイモデルを使用したとしても、2008年環境アセス学会で専門家から指摘のあったとおり、ヴァレイモデルを使用する場合の物質の大気に対する比重が、大気質・悪臭項目の各物質と同じでないとこれもまた、正確なものとはならない。
 どちらにしても、現地で複数の事例を行うのが一番正確なものになるのは言うまでもない。予算を不正に水増しさせないためにも、埼玉県はこれを選択すべきである。

14)第4章 5水質 図4.5−1 
 1.水質、底質、水象 五の坪調査地点位置が不適切であり、ここでは単に五の坪住宅地からの排水の影響があるだけで、第2期事業地からの排水はあり得ない場所。第2期事業地からの影響があるであろう、もう少し下流の柿平(かきだいら)辺りにするべきである。
 2,その左の地点は、栃谷と山居からの川の合流後となっているので、これも栃谷と山居の住宅からの排水の影響が出てしまう。この2つの川が合流する前とするべき。

15)第4章 11生態系(3)環境の保全方法
 1.“樹林から湿性草地までの環境が一体で保全されるように里山環境の保全を図る”とあり、着目種及び関係種の生活史や生息・生育環境を考慮し、消失する湿性草地環境や草地環境を中心とした多様な自然環境を保全もしくは新たに創出することで、計画地及びその周辺における生態系の保全を図る。”とあるが、本来のアセスの手法のとおり、この計画が行われない場合を含めて複数の場合(ハビットなど現在ある生態系の質を保つ手だて)を比較検討するべき。
 2.“必要に応じて着目種の個体の移植などの措置を検討する”とあるが、アセス本来は、その場所での環境保全がベストである。
 当会が専門家である(財)生態系保護協会職員を招き現地を観測時、埼玉県の絶滅危惧種であるホトケドジョウが棲んでいることを確認している。また、準絶滅危惧種のニホンアカガエル、ウラギンシジミ、クルマバッタ、植物では準絶滅危惧種のササバギンランがある。絶滅のおそれのある地域個体群としては、ヤマトフキバッタがある。これらについて保全対策を講じるべきである。

16)第5章 図5.1-6 水系の状況 第2計画地を源流にした五の坪川に流れ込む川が抜けている。この川が、第2期事業から一番影響を受ける川なので一番重要である。

17)第5章 図5.1-11 12、21のグループホームあかつきの場所を現在の位置に修正すべき。

18)以前、この計画地周辺で発見された、この地特有の種である、ナンブアシブトコバチについて調査・保全が必要不可欠である。

19)第5章 表5.1-21 大気汚染防止法に基づく発生源規制の概要 
に、揮発性有機化合物(VOC)があるが、ここは廃棄物処理史施設なので、この物質について、対策・測定が欠かせない。

20)第5章 表5.2-12 自然とのふれあいの場 のハイキングコースに、寄居町で紹介されている、西ノ入地区三品の車山ハイキングコースが抜けている。また、ここには都内や県南からも多くの人が訪れる「仙元名水」の湧水採取場所があるので明記のこと。


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活動目的と活動内容
<活動目的> 彩の国資源循環工場についての活動を通じて、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会の仕組みを見直し、地球にやさしい本来の資源循環型社会を目指します。 <主な活動内容> ・松葉によるダイオキシン類・重金属類調査と報告会 ・桜(ソメイヨシノ)異常花発生率調査[桜調査ネットワーク] ・小川町、寄居町の小中学校健康保険調書による疫学的調査 ・アサガオによる光化学スモッグ調査[埼玉県環境科学国際センター] ・埼玉県へ意見書・要望書・公開質問状 提出 などなど…ぜひ、あなたの力をお貸しください。 いっしょに活動する「正会員」、イベント情報受け取れる「賛助会員」があります。

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