辺野古埋め立て承認をしないで欲しいという署名は25,000手前で伸び悩んでいます。できれば、さらなるご協力を!!
署名サイトは
http://www.change.org/dugong
です。
弥永
11月3日付本紙「論壇」欄に掲載された「命守る手段なぜ講じない――今こそ『辺野古』選択を」に対し、普天間飛行場移設先とされた地元住民の立場から反論したいと思います。私たちは、地域住民ひいては全県民の生存基盤である豊かな自然環境と、子どもたちが健やかに成長できる平和で安全な生活環境を守りたいという思いで、この17年間、一貫して基地建設に反対してきました。
いちばん残念なのは、論壇の筆者が「守る」とおっしゃっている「県民の命や安らぎのある生活」の中に、私たち北部住民のそれは含まれていないように思われることです。世界一危険と言われ、オスプレイの配備によっていっそう危険度を増した普天間飛行場を、辺野古に移設すれば危険でなくなり、事故は起らないとでもいうのでしょうか? それとも、住んでいる場所によって命に優劣が付けられ「第二、第三の宮森小学校事故」が北部で起っても仕方がないというのでしょうか?
普天間飛行場は、沖縄戦の最中、住民が避難している間に、生活の場であった集落や農地を米軍が無断で接収して造った基地であり、無条件で返還されるべきものです。返還合意後「進展がない」原因は、筆者が言われる「普天間飛行場の閉鎖または県外移設に(政治家を含め県民が)固執している」からではなく、まったく逆に、日米両政府が、県民がこぞって反対している「辺野古移設に固執している」からです。
日米両政府が固執する辺野古新基地は、普天間飛行場の「移設」という名目を借りて、住宅密集地にあり、老朽化して使い勝手が悪くなった普天間飛行場の代わりに、最新鋭の設備の整った、使い勝手のよい基地を手に入れたいということであり、米軍は耐用年数250年を見込んでいると聞きます。これが万一実現すれば、沖縄島北部は米軍の巨大軍事拠点になり、沖縄は半永久的に軍事基地の島として固定化されてしまうでしょう。それが、私たち地元住民だけでなく県民が辺野古移設に反対している理由だと思います。
筆者は中国や北朝鮮の「脅威」に触れていらっしゃいますが、軍隊や軍事基地のある場所が真っ先に標的になり、危険であることは沖縄戦の苦い教訓ではなかったでしょうか? 国際紛争は今や、武力でなく話し合いで解決することが世界の流れです。県民の命を守り、「安らぎのある生活を提供」するためにも、辺野古移設を受け入れないことが私たち地元住民の務めであると信じています。
(浦島悦子)
琉球新報11月11日の論壇