当会では、毎月、彩の国資源循環工場と埼玉県環境整備センターのある、寄居町三ヶ山内外の河川などの水質調査をしています。
11日(日)の当会の測定で、地下集水管パイプ、敷地内塩沢川最上流湧水、敷地内塩沢川上流の電気伝導度が、過去一番の異常値が出て、なかでも地下集水管パイプでの塩化物イオンが、50mg/l以上であり、さらに昨年の地下集水管パイプからのヒ素汚染(詳細は下記アドレス)
http://ecohiroba.net/modules/news/article.php?storyid=408
以来はじめてパイプと川底がオレンジ色に染まっていました。
そこで13日(火)に、環境整備センターに前述とそのときの水質調査結果一覧表、地下集水管パイプと川底のオレンジ色に染まった様子の写真を情報提供し、
昨年のヒ素汚染のこともあるので、汚染の実態を知るためヒ素など水質調査をするよう、いつからなのか知るため過去一週間の電気伝導度データを出すよう要請しました。
その後、環境整備せんたーから何の連絡もなく、16日(金)の朝日新聞等の報道で、今回の県の発表を初めて知りました。
16日中に埼玉県環境整備センターへ下記要望書を出しました。
http://ecohiroba.net/textpdf/20110916.doc
埼玉県環境整備センター 所長 永島 裕久様 2011年9月16日
地下集水管出口での水質汚染について(要望書)
当会では月1回、定期的に環境整備センター(廃棄物埋立て)と彩の国資源循環工場(大型複合の産業廃棄物処理施設群)のある三ヶ山内外の河川等を簡易電気伝導度計と比色計、パックテスト等で簡易的に、一般の市民として日々の環境調査をさせていただいています。
11日(日)に同様に調査していたところ、数カ所の地点で電気伝導度と塩化物イオンの値が、ここ数年で最も高い異常値が出ました(別紙資料参照のこと)。特に地下集水管は、昨年の事件(後述)後、パイプ等掃除し、地下水が流れ落ちる川底に植栽し、人目につかないようにしてたのが、今回は、パイプも川底も、昨年の事件時と同様オレンジ色に染まっていました。
この地下集水管は、塩沢川を経て、埼玉県民・東京都民の飲料水源でもある荒川に流れ込むのです。
昨年も台風後、地下集水管出口パイプで、ヒ素が環境基準の16倍という値が出た経緯があるので、13日(火)に、上記の情報提供と、地下集水管の台風後からの電気伝導度データを出すこと、地下集水管でヒ素など水質調査するよう要請しました。
それにもかかわらず、貴所からは何の連絡もなく、新聞での報道で、今回の汚染事件を知りました。
記
1)今回の測定は、重金属類と塩化物イオンなど数種類だけしか行わなかったが、日頃埼玉県が環境整備センターで測っている、水質の全ての物質について測ること。
2)昨年に引き続き、同じ時期に、同じ地下集水管で水質汚染を起こすのはいかがなものか。
汚染の原因が、3号埋立地内の廃棄物なのか、地山のどこか特定の場所の影響なのか、それとも彩の国資源循環工場からの影響なのか、徹底的に調査し、結果を公表後、2度と起こらないよう措置をとること。
3)その場合、敷地内の塩沢川最上流の湧水で、当会の測定では地下集水管以上に、電気伝導度と塩化物イオンが高かった(別紙資料参照のこと)ので、
①そこの湧水との関連を含め、よく調べること。
②その湧水へ引かれている地下のパイプの経路とパイプの上流(7-3埋立地など)からの影響も調べること。
4)貴所では地下集水管出口で、常時、電気伝導度を測定し、日報であげている。通常は高くても0.5mS/cm〜0.6mS/cm台なので、0.7mS/cm、0.8mS/cmという値が出た時点で、貴所自ら各埋立地の地下集水管の電気伝導度を測ること。
5)そのために、貴所に簡易電気伝導度計を用意しておくこと。
6)地下集水管は、埋立シートの破損を知るためでもあったが、今回その意味をなさないことが明らかになった。今後は全ての埋立地に漏水検知を設置し、今後は決して地下水や土壌を汚染させない措置をとること。
7)今回、当会からの情報提供がきっかけで本格調査に乗り出したにもかかわらず、その結果を当会に報告もしなかった。また、公表時にも当会からの情報提供がきっかけだったということを伏せているのはいかかがものか。
情報提供者である当会に、その後の経緯を報告すること。 以上
<埼玉県の記者発表資料/県政ニュース>
http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news110915-13.html
埼玉県環境整備センターが、9月14日に3号地埋立地(現在廃棄物埋立中)の地下水を採水して調べたところ、濁りや腐敗臭がありました。
電気伝導度※を調べたところ、1.10mS/cmという通常時(0.50mS/cm程度)の約2倍の数値でした。
そこで、本日再度採水し、分析を行ったところ、電気伝導度は0.87mS/cmであり、その他の項目については別紙のとおりでした。
そのため、応急措置をとるとともに、異常の原因を調査することとします。
※ 電気伝導度は、水中の電気の伝わりやすさです。水中に含まれる物質の濃度によって影響を受けます。地下水に変化があった場合の1つの指標になるため、毎日測定しています。(単位:mS/cm〔ミリジーメンスパーセンチメートル〕)
1 調査内容
(1)調査場所 環境整備センター第3号埋立地地下水集水ピット
(2)調査日(採水日) 平成23年9月15日(木)
(3)調査機関 環境科学国際センター
(4)調査結果 別紙のとおり
2 考えられる原因
現在、特定することができませんが、埋立地の廃棄物層から流出した汚染水の混入の可能性や埋立地外からの汚水の混入の可能性などが考えられます。
3 応急措置
3号埋立地の地下水を水処理施設に導水し、処理をした後に放流しています。
(9月14日切り替え。)
4 今後の対応
(1)周辺の民家に対し、地下水(井戸水)の使用を控えてもらうようお願いします。
(2)埋立地の地下水や周辺河川の水質を詳細に検査します。
(3)処分場施工業者や専門家と水質分析結果の検討を行い、原因究明を行います。
別紙 埼玉県環境整備センター第3号埋立地 地下水質調査結果
採水場所:埼玉県環境整備センター第3号埋立地地下水集水ピット
採水日 :平成23年9月15日(木)
測定項目 測定値 地下水の環境基準
鉛及びその化合物 0.001 mg/l未満 0.01mg/l以下
六価クロム化合物 0.001 mg/l未満 0.05mg/l以下
ヒ素及びその化合物 0.001 mg/l未満 0.01mg/l以下
水銀及びアルキル水銀
その他の水銀化合物 0.0005 mg/l未満 0.0005 mg/l以下
水素イオン濃度 6.7(通常時6.5~7.8)
化学的酸素要求量 8.5 mg/l(通常時1mg/l程度)
電気伝導度 0.87mS/cm(通常時0.5 mS/cm程度)
塩化物イオン 100 mg/l (通常時10~20mg/l程度)
東京新聞は…
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20110916/CK2011091602000031.html
「県廃棄物最終処分場地下水 腐敗臭など異常」
2011年9月16日 埼玉
県は十五日、廃棄物最終処分場「県環境整備センター」(寄居町)の三号埋め立て地の地下水に、濁りや腐敗臭などの異常を確認したと発表した。六価クロムなどの有毒物質は検出されなかったが、県は埋め立てた焼却灰などから汚染水が流出した可能性もあるとみて、原因の究明や周辺河川の水質調査を進める。
同センターでは、地下水の変化を示す電気伝導度を毎日測定。十四日の測定値は通常の二倍となり、十五日も一・七倍。焼却灰から検出されやすい「塩化物イオン」は通常の五倍以上だった。
三号埋め立て地は現在埋め立て中で、底と周囲は五層構造の遮水シート(厚さ計約三十二センチ)で覆われている。県は「台風12号の影響で遮水シートが破れたり、埋め立て地の中の集水管が破損した可能性も否定できない」としている。
同所から半径五百メートル以内に民家はなく、同日現在では、井戸水などの利用自粛は求めていない。
朝日新聞は…
「廃棄物処分場地下水に異常」 2011年9月16日 朝刊 埼玉(西部)
寄居、濁り、腐敗臭
県は15日、寄居町三ヶ山の廃棄物処分場「県環境整備センター」の3号埋立地の地下水に濁りや腐敗臭などの異常が見つかったと発表した。水銀やヒ素、鉛などは検出されなかったという。
県資源循環推進課によると、深さ約20mの埋立地の真下にある集水ピットで14日に採取した地下水から異常が見つかった。埋立地全体に敷かれた遮水シートや集水管が破損している可能性があるが、原因は不明という。
同課はこの地下水を浄化施設で処理して川に放流し、源信を調べている。