日時:5月13日(金)18時〜21時 資料代500円
場所:池袋勤労福祉会館内 エポック10 3階 第鵯会議室
芸術劇場通りー池袋消防署隣 03−5952−9501
講師:野村興産(株)取締役・鮎田文夫技術部長
主催:水銀汚染検証市民委員会 連絡先:03−5938−2720
東日本大地震ー津波そして原発事故と続く大災害が襲って来ました。福島原発はついにレベル「7」となり、収束工程表は出されたものの、余震は断続的に続き、今後の放射能被害の行方はまったく予断を許しません。国や東電は、原発は「絶対安全」と言い続け、事故が起これば「想定外」と逃れ、食べ物や水に高濃度の放射脳汚染が見つかると、「直ちに健康に影響を与えることはない」と根拠のない楽観論を振りまき、いつの間にかチェルノブイリと同等の危険レベルになっていました。これらの対応は、ごみ焼却炉で、ダイオキシン汚染や重金属汚染について行政が取ってきたと同じ対応です。
水銀問題に返って、昨年6〜7月の足立をはじめとする4清掃工場の水銀汚染事故は、9月に再び足立、2月には目黒清掃工場と続き、もはや業者による不法投棄論は、根拠を失いつつあります。「焼却炉では金属水銀は除去できない。」村田徳治氏の私たちの学習会での指摘が事実としたら、水銀混入製品が燃やされている町では、水銀蒸気が大気に垂れ流されていることになります。
先日桜の開花時期に、鳥がついばんで落とす桜の花びらとがくの調査をした報告が届けられました。豊島清掃工場の周辺で最高37%、東村山市の秋水園清掃工場の周辺で14%〜18%の異性体が見つかりました。未来を担う子供たちには、放射能の危険性に加え、ダイオキシンや水銀という危険物質の洗礼を私たちは与えてしまっています。
東京の水銀事故をきっかけに、事実を突き止め、これ以上の環境汚染をストップさせてゆきたいと思います。水銀の回収にかかわり、30年。今回の水銀問題でもメディアの取材で仕事ができないとこぼしていた野村興産の鮎田文夫技術部長のお話を聞く機会を設けることができました。
質疑を含め、2時間弱日本の水銀問題の実情ー裏表を語っていただきます。
<講師の紹介>
鮎田文夫:野村興産(株)取締役技術部長。入社以来含水銀廃棄物の処理技術にかかわり、10年以上かかり、水銀回収技術を確立。水銀は、温度の変化によって、気体になったり、固着したりと変化が激しく、水銀除去技術の難しさを周知している国内第1級の技術者。焼却炉の除去装置などでは取れないと語る。
大学の専門家の中には、焼却炉の除去装置で97.5%除去できると語る人がいることを紹介すると、笑って問題にしない。実際野村興産には、全国の自治体の約65%から資源回収された含水銀廃棄物が運ばれ、野村興産が出すデータが、国の研究プロジェクトの基礎データとして使われている。
そのため今回の水銀事故や2013年の水銀国際条約に向けての取材で環境省に行ったメディアは、野村興産を紹介され、尋ねてくるという。
野村興産(株)1979年入社。
1979年〜1989年に同社イトムカ鉱業所にて、含水銀廃棄物処理技術開発担当。
1980年公害資源研究所アマルガム冶金研究
1991年〜本社技術部勤務。
:発表論文は
・ 「イトムカ鉱業所における使用済み乾電池・蛍光灯のリサイクル」
・ 「イトムカ鉱業所における含水銀廃棄物のリサイクル」他多数
野村興産:北海道の水銀鉱山であるイトムカ鉱山が、1973年閉山したのに伴い、水銀鉱山の技術と設備を受け継ぎ、含水銀廃棄物を主とした産業廃棄物の処理を開始。1980年代から乾電池のリサイクルに取り組み、1990年代には、蛍光灯の水銀回収―ガラスリサイクルにも取り組む。 水銀回収リサイクルの国内のトップメーカ。