今から1ヶ月前の9月16日に採水した、埼玉県環境整備センター(県立の廃棄物埋立て最終処分場)の“地下水”(=各埋立地の遮水シートの外側にある管が合流し、荒川の上流にある塩沢川に放流する直前の水)から、発がん性物質のヒ素が環境基準(健康基準)0.01mg/lの16倍の0.16mg/lの汚染が起きました。
昨日14日に、埼玉県環境整備センター(県立の廃棄物埋立て最終処分場)は、一ヶ月前に発覚した地下水汚染を地元監視員代表(=各地区協議会役員)、寄居町議員に公表する緊急(?)会議を開催しました。
埼玉県が月1回行っている水質調査で、2010年9月16日11:00に採水した地下水(各廃棄物埋立地の遮水シートの外側にある管が合流し、荒川の上流にある塩沢川に放流)。
10月1日の速報値で発覚。ヒ素0.16mg/lで環境基準(健康基準)0.01mg/lの16倍!(ヒ素およびヒ素化合物は WHO の下部機関 IRAC より発癌性がある〔Type1〕と勧告されている。また、単体ヒ素およびほとんどのヒ素化合物は、人体に非常に有害である。飲み込んだ際の急性症状は、消化管の刺激によって、吐き気、嘔吐、下痢、激しい腹痛などがみられ、場合によってショック状態から死に至る。慢性症状は、剥離性の皮膚炎や過度の色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全など。慢性ヒ素中毒による皮膚病変としては、ボーエン病が有名である。 ウィキペディアより)
埼玉県は、この会議で、原因を、環境由来ではないか、としていますが、原因究明のための調査は。これから10月末にやるという有様。
専門家からも、『行政はすぐに「自然由来」=「環境由来」として問題をはぐらかそうとしますが、それなら、なぜ今まではそれが検出されなかったのか。原因は何であれ、濃度が高いことが問題なのであり、対応が必要なのではないか』との指摘。
10月1日の調査結果(速報値)を受けた環境整備センターは、埼玉県環境課資源循環推進課と寄居町環境衛生課だけに報告。その後、両者とも何もせず…
※以前、2007年の塩沢川への鉛汚染のときに、埼玉県は「公表ルール」を作り、異常値が出た時点で、寄居町、監視員(環境協議会員)代表に報告すると決めたハズですが、今回、地元住民組織の監視員(環境協議会員)代表に報告したのは、1ヶ月後の10月14日…普通の監視員(環境協議会員)や寄居町民など一般住民には、なんと、まだ知らせていません。
塩沢川を利用している、塩沢川水利組合にも知らせていないとは、危険すぎます。
同日(10月1日)に再調査したときにはすでにヒ素は0.004mg/lと低くなっていました。
原因究明の調査はこれから10月末にやるとのこと。何もかも遅すぎます。
※速報値の出た10月1日に、原因究明のための調査(各廃棄物埋立て地の進出水、地下水、土壌、観測井)をするべきでした。
今回、埼玉県環境整備センターは、原因は環境由来としていますが、それを言うには、せめて速報値の出た10月1日に上記の原因究明のための比較調査をせずにわかりません。
また、汚染の出た9月16日の地下水調査には、寄居町も行っていましたが、その値は0.021mg/lで、環境基準(健康基準)0.01mg/lの約2倍ですが、資料にあるようにこんなオレンジの水を測ってこの値はありえません。オレンジ色の成分(鉄化合物)を沈殿させた上水、もしくは行政の環境調査でよくささやかれていることがあるかも?
こんなことからも、クロスチェックは大事ですし、住民(=被害を受ける側)自身による環境調査で、独自のデータを持つ、ということが、いかに大切かわかります。
※追加
同じ試料(検体)=同じバケツから採取したのに、埼玉県が委託した測定業者と、寄居町が委託した業者の測定値がかけ離れていた理由について、以下の説明をされています。
『バケツの上と下で濃度が違うから』と。
採水した時の写真を見れば明らかなように、すでに採水する地下集水管からバケツに入る前に、真黄色〜オレンジで水自体が濁っており、バケツに落ちてさらに攪拌されるので、それはありえません。そんな言い訳で寄居町民を言いくるめられると思っているのでしょうか??