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地球にやさしいエコな話題 : 「気候変動・ピークオイル対策 」嵐山町大気と水と大地の会 第4回学習会より
投稿者: kato 投稿日時: 2008-11-21 12:36:12 (882 ヒット)

2008/11/17
気候変動・ピークオイル対策
嵐山町大気と水と大地の会第4回学習会
報告者:弥永健一

はじめに

この報告は、11月10日に行われた学習会の資料に、学習会での話し合いや、その後知
り得たことを参考にして、手を加えたものです。

1) 気候変動
インターナショナル・ヘラルドトリビューン(2008/10/28)に、「私たちがしたこと だ、私たちはやりなおせる」(We did it, we can undo it)という記事(T.E.ラブジョイ:科学、経済学および環境に関するハインツセンター;T.フラナリー:マクワ リー大学教授、環境・生命科学;A.シュタイネル:国連環境計画副所長 共著)が掲載され、気候変動の現状についての簡単な報告がされています。記事の要旨について、まとめておきます:
 大気中のCO2濃度は、産業革命以前には280ppmだったものが、今は389ppmになり、これはIPCCが考えた最悪のシナリオをすでに超えています。化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の使用や、熱帯雨林の伐採に伴う樹木の焼却や腐敗が、濃度上昇に大きく寄与しています。過去3世紀の間に、2000億〜2500億トンの炭素が放出されました。
緑の山野が農地や都市に姿を変えたのに伴った変化です。気候科学者のJ.ハンセンによれば、濃度が350ppm以上になると危険だということです。地球規模でエコシステムや生物多様性の劣化が進行していることからも、彼の理論が妥当だということがいえます。
 全世界で、あらゆる生物種がこれまでと違う動きをしています。植物は開花時期を早め、動物の多くは北方や高所へと移動しています。海水温度の上昇に伴うサンゴの白化は全地球規模で進行し、北米やヨーロッパでは常緑樹が大量に枯死しています。
CO2の吸収に伴う海洋の酸性度上昇により、一部の食物連鎖に変動が起こっていま
す。人間にとって、生存の基盤といえるエコシステムの、このような劣化が進めば、私たちの未来は暗澹たるものになります。
 大気中に放出されたCO2分子は、100年から1000年も滞留します。CO2濃度をこれ以上高めず、安全な範囲にまで下げ始めることは、どうしても必要です。
 幸いなことに、樹木を含め、生命のシステムには、放出されたCO2を吸収する機能が備わっています。【注:樹木も呼吸し、また、腐敗すればCO2を放出しますが、重要なのはこれからの50年、100年のことです。これまでに樹木などがため込んだCO2を無駄に放出させず、また、破壊された森林の回復を進めるなどして、新たな吸収源を増やすことは大切です。】10億トンの炭素が吸収されるごとに、大気中のCO2濃度は1ppm減少します。最近の研究によれば、全世界で劣化した牧草地を回復させれば、濃度は350ppm程度まで下がるといわれます。破壊された熱帯雨林の回復ができれば、これもきわめて大きい意味を持ちます。それだけではなく、このような緑の回復により、生物多様性も大幅に改善されます。人間にとっても、牧草や木材をより豊かに使う道が開けます。農地の緑も、それなりに、CO2吸収に一役買っています。廃棄され る植物から炭を作って使えば、長期的には、炭素は地中に戻り、これも有意義です。
 しかし、気候変動は進行し、人口増加に伴う食糧増産の必要性、それにバイオ燃料生産などは、止むことがないので、それによる問題もあります。
 人間社会のエネルギー使用の在り方を変えることも、必要不可欠です。エコシステムの回復とエネルギー使用の改変によって、少しでも早く、CO2濃度を安全レベルまで下げるための努力は、各国で始まっています。ポーランド、そして、デンマークで開かれる国連の気候変動枠組み会議に向けての準備が進められています。

2) IPCC批判
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が、2007年11月30日に発表した第4次評価報告書は、20世紀中期以降の地球温暖化の主要な原因は、人間活動に伴う温室効果ガス排出にあることの可能性は極めて大きいとして、各国政府に、排出抑制のために行動に移ることを呼びかけています。これに対しては、批判もあり、そのなかには、かなりいい加減で、荒っぽく一方的なものもあります。しかし、最近読んだ、「正しく知る地球温暖化−誤った地球温暖化論に惑わされないために」(赤祖父俊一、誠文堂新光社)にある批判のなかには、傾聴するべきものがあると思います。

 赤祖父さんはオーロラや北極研究における世界的権威です。彼の本には、感情的な表現や、荒っぽいところもありますが、その主要部分には傾聴すべきところがあります。そこで書かれていることによれば、地球温暖化の原因には、人間活動だけでは説明できない部分があり、しかも、それによる影響は化石燃料使用によるものよりもかなり大きいというのです。根拠としては、木の年輪、極地の氷に含まれる昔の大気の分析、歴史記録や昔の絵画などを調べて推論したところ、西暦1000年ころに現在と近いほどの温暖期があり、その後気温が下がって、1200年ころには、小氷河期と呼ばれる寒冷期が訪れ、それが、1800年ころから回復に向かって、100年に約0.5度(摂氏)の気温上昇が現在まで続いていること、それは、CO2排出によっては、説明できないということです。CO2排出による気温上昇は、直線的ではなく、放物線的で、上昇の勾配が次第に上がるのです。赤祖父さんによれば、CO2排出による温暖化は第二次大戦以降、1946年ころから急に目立ち始めています。最近100年ほどの温暖化は、約0.6度ということなので、小氷河期以降の気温上昇が現在も同様のスピードで続いているとすれば、その上昇を5とすると、CO2排出を加えたことによる上昇は6になり、その差は小さいというわけです。IPCCの報告には、この小氷河期と、その後の気温変化についてのことが軽視され、もっぱらCO2排出による温暖化についての、シミュレーションに基づいて、評価や予測がされているというのです。CO2排出による温暖化については、かなり精密な理論があって、シミュレーションもできるのですが、小氷河期やその後の温暖化については、その原因はまだ不明で、シミュレーションもできません。今後、どうなるかについても、評価しにくいのです。
 気候変動についての理論は急速に進んでいて、シミュレーションも観測結果とかなり適合するようになっているといわれます。しかし、赤祖父さんがいわれるように、気候変動など自然現象については、まだ分からないことも多く、シミュレーションできないことを無視して進むことには大変な危険が伴うことは、最近の金融危機をみても分かります。
 アメリカでの住宅購入のための借金を投資対象とする、普通に考えれば、とんでもないことが続いていました。膨大に膨らむ借金を細分化して見えにくくし、高度な経済学理論に基づくシミュレーションや、スーパーコンピューターを駆使してのマネーゲームが暴走し、ついにバブルが崩壊したのです。ここでも、シミュレーションにかからないことは無視され続けていました。
 IPCCによる評価も重視するべきです。しかし、赤祖父さんがいわれる、小氷河期以降の気温上昇が、今後50年、100年以上続くなら、温暖化はIPCCによる予測をはるかに超えるものになるでしょう。現在すでに、CO2濃度上昇がIPCCによるシナリオの最悪ケースを超えるものになっていることも、気になります。
 IPCCによる評価が不十分だとしても、CO2排出による温暖化が重大な危機を招く、あるいは、危機を悪化させる可能性があることには、疑いがないと思います。

3) ピークオイル
 第3回学習会で報告したように、ピークオイルとは、世界的に原油生産量の伸びが止まり、生産コストが上昇し始めることを意味します。その時期は、2010年から2020年の間だろうという見解が強力です。一方、少し前までは、原油価格がうなぎのぼりだったものが、最近の世界的金融危機の影響で、価格が下がり始め、最近では1バレル60ドル程度になっています。オペック諸国では生産量を絞ろうという動きもでています。しかし、国際エネルギー機関が、11月12日に発表した08年のエネルギー白書によれば、今後1,2年は原油価格が大きく変動する一方、不況はそれほど長期にはならず、石油需要も今後大幅に上がる見込みです。さらに、やはりエネルギー白書によれば、世界の石油生産量の減少は今後加速する可能性があり、原油価格は今後上昇し、 2030年には1バレル206ドルになる見込みだということです(朝日新聞 2008/11/13)。
4) 世直し
 温暖化対策のひとつとして、CO2の回収・貯留(CCS)が提起されています。化学的方法で、発電、鉄鋼産業などによって排出されるCO2を回収し、それを再び気体に戻して、地層や海中に送り込むのです。貯留されるCO2が漏れにくい地層を選ぶそうですが、地層の状態は変化します。高濃度で大量のCO2が漏れ出せば、多数の生物や周辺住民が窒息死するおそれがあることについては、フラナリーの本「地球を殺そうとしている私たち」(ビレッジブックス)にも書かれています(第2回学習会報告)。
海中に送り込まれたCO2が、現在進行中の海水の酸性化をさらに悪化させることも考えられます。都合の悪いものを見えにくい場所にため込んでも、それがなくなるわけではなく、未来の世代に付けを回すだけです。
 CO2排出の最大手は、化石燃料発電、鉄鋼、セメントそれにアンモニア製造業で
す。
これらの基幹産業の在り方を変え、また、社会の在り方をも変えることが、気候変動対策のために必要だろうということは、これまでの学習会で主張してきました。また、ラブジョイたちの記事をみても、いま必要なことは、自然環境(エコシステム)の回復です。
 私たちの衣食住をとっても、化学繊維なしには成り立たない「衣」、大量の石油を使って輸入し、化学肥料を使って作られる食糧、セメントや鉄、それに海外から輸入される木材に頼り切っている「住」という現状があります。ピークオイル対策のためにも、気候変動対策のためにも、私たちの衣食住の見直しが必要だろうと思います。
必要なことは、あまりにもバランスを失い、地球生命のシステムまでをも危機に陥れている社会・経済の在り方を変えること、大地に根差す生き方に戻るために、方向転換し始めることではないでしょうか?

対策
1) エネルギー
原子力発電の危険性については、これまでにも指摘してきました。これに関連して、「原子力資料情報室通信」411号(2008/9/1)に発表された、「大間原発の破局事故シミュレーション」(小出浩章 京都大学原子炉実験所)の内容の一部を紹介しておきたいと思います。記事によれば、青森県の大間原発が破局事故を起こせば、たとえば函館では、放射能による急性死をまぬがれたとしても、大部分の住民は、何年か後にがんで死ぬことになります。東京でも風向きによっては80万人近くが数年後にはがん死者になります。また、風向きによっては、北海道の道南地区、東北の青森、岩手、秋田の三県の住民は強制的に移住させられます。このようなリスクを伴う原発に依存することは、段階的にやめるしかないと思います。
バイオ燃料の問題についても、これまでに話してきました。食糧危機を悪化させるだけではなく、コーンや大豆などの耕作のために、膨大な土地が新たに開墾されたり、森林伐採が進んだりすることに伴い、土壌や樹木に蓄えられたCO2が大量に排出されるという状況があります。
風力発電は、現在世界での発電量の1%を占め、1GWに達しています。(インターナショナルヘラルドトリビューン 2008/9/16)。ヨーロッパでは発電量の4%を風力でまかない、2020年には、12〜14%までにする計画です。特にデンマークでは、電力需要の21%が風力でまかなわれています。インド、中国、アメリカでも、風力発電事業は急成長しています。発電設備には、家庭で使えるような小規模のものもありますが、通常作られるものは最近では巨大化し、高さ120メートルにもなるものもあります。発電能力は5MW。建設費用も膨大です。日本では、2010年には出力300万KWにする計画ですが、設備には超高層ビルなみの耐震設計が義務付けられていることなどから、6割は計画遅れになっているなど、思うように進まず、発電能力は2007年末で154万KWです。日本で、風力発電や太陽光発電などが伸び悩んでいる大きな理由は、ヨーロッパなどと違い、発電量のごく少ない部分しか、電力会社に引き取ってもらえないような、法制度になっているからです。(朝日新聞 2008/4/2)。風力発電や太陽光発電は、発電量が一定ではないので、このような制度的欠陥はこれらの発電事業の発展にとってはマイナス要因です。その一方、電力会社に依存する構造が続くとしたら、それも問題です。蓄電技術も日進月歩ですが、まだコストが高いなど、問題があります。
太陽光発電量は、現在、風力発電の約10%しかありません(朝日新聞  2008/10/6)。しかし、発電効率などの進歩もあり、また、特にヨーロッパでは、太陽光発電を高値で電力会社が買い取る制度があるおかげで、事業は急成長しています。CO2排出量は、電池製造過程での分を含め、石炭火力発電の18分の1程度です。日本でも、第1次石油危機以降、太陽光発電に力を注ぎ、政府による補助もあって、生産量、導入量ともに世界一という時代がありましたが、2005年で補助が打ち切りになってからは、導入量は停滞しました。家庭での太陽光発電パネル(出力4KW)の設置費用は200数十万円ですが、余剰分は電力会社が電気代と同じ価格で引き取る制度があり、電気代はほぼゼロになります。現在、約30万軒に設置されていますが、発電量は全電力の0.1〜0.2%にしかなりません。世界全体では、2008年末には、180万KW、全発電量の0.5%になる見込み。日本では、今年6月に発表された福田ビジョンがあり、導入量を20年までに現在の10倍、30年までに40倍にし、補助政策も復活させると、宣言されました。
小型水力発電(読売新聞 2004/9/22)。川崎市では、潮見台浄水場からの送水管にバイパスを設け、出力170KWのミニ水力発電設備を作り東京電力に売電しています。
関西のある水道局では、同様にして発電した電力で揚水ポンプを動かし、年間数100万円の電気代を節約できています。各地で、農業用水への設置も進んでいます。メタン発電(毎日新聞 2008/5/24)。ドイツ中部のユーンデ村には、牧草と家畜の糞尿などを混ぜて発酵させ、生じたメタンで全村民750人の電力や暖房を賄っています。発電量は村の消費量の倍以上で、余剰分は電力会社に売電します。村全体で、年間3000tCO2の削減効果があります。総事業費は2億4300万円になりましたが、そのうち、国の補助金を除く約8100万円は地元の約190戸が負担しました。
このほかにも、代替エネルギー設備にはいろいろあり、それぞれに、評価すべき点も問題点もありますが、大事なことは、エネルギーの無駄遣いをなくすことだと思います。また、建設に膨大な費用と、鉄鋼やコンクリートを必要とする設備よりも、私たちにも手の届くようなものがベターだと思います。
朝日新聞(2008/4/1)に、レジ袋とCO2削減についての記事があります。レジ袋は、石油から作られ、廃棄処分のために燃やせば、またCO2の排出があります。1枚あたり排出量は47gになる計算です。レジ袋を全廃すれば、日本の排出量が0.2%減るそうです。記事には、レジ袋に換算した、いろいろな削減例が載っています。たとえば、往復2kmを自動車から、徒歩や自転車にかえることで、レジ袋9.8枚分の削減、暖房設定温度を22度から20度に、1時間下げることで0.6枚、ブラウン管テレビを1時間止めることで0.7枚などです。

2)交通
インターナショナル・ヘラルドトリビューン(2008/2/20)に紹介された、イギリスでの例ですが、時速15kmで走る自家用車が、1km走るときに排出するCO2は約250g。
それに比べ、郊外を走る電車に乗る場合、かなりの乗客があるとして、乗客一人が
1km移動するのに伴う排出量は、約25g、自家用車の10分の1です。朝日新聞
(2008/4/1)による計算でも、自家用車で1km走る場合の排出量は約235gなので、イギリスの場合と大差ありません。いずれにしても、公共交通を使うほうが、排出量はずっと少なくなります。

エコカーを使えばよいとも思われますが、バイエタノールや通常の電力をエネルギー源とするならば、問題解決にはなりません。また、自動車産業は鉄鋼消費の最大手です。自動車製造過程でのCO2排出量も非常に大きいのです。ピークオイル以降の時代になれば、自動車産業も衰退するでしょう。膨大な公費を投じて作られてきた高速道路のかなりの部分も無用の長物と化すでしょう。
デマンド交通のシステムも、導入され始めています。自動車あるいはマイクロバスなどのセンターを作り、利用者との連絡網を設け、利用者たちの要望を入れて走行時間やルートをアレンジし、できるだけ乗合利用をすることで、福祉とCO2削減に役立てることができると思います。
自転車ステーションの制度も、ヨーロッパで利用されています。地域の適当な場所
に、複数のステーションを設けて自転車を配置し、会員がカードなどを使ってステーションの間の移動に利用します。
町づくりを、自家用車やトラック交通よりも、徒歩や自転車による移動を重視して考えることも必要になります。今では高速道路沿いに次々に現れるスーパーにおされて、市街地の中心部分が空洞化する現象が各地で見られますが、スーパーチェインは、トラックなどによる長距離高速輸送に依拠して運営されます。ピークオイル以降の時代がくれば、このようなシステムは崩れるでしょう。その時に備える意味でも、グローバリズムやモータリゼイションに依存せず、地産地消型システムへの移行を考えるべきです。

3)衣食住
空調、エレベーター、エスカレーター、自動ドアなどを備えたエネルギー多用型で
CO2排出量も大きい大型ビルは、嵐山ではまだ少ないですが、これもピークオイル以降には至って脆弱な設備になるでしょう。地元または、近場で手に入る材木を使って作られるような、中・小型の建物作りを推進する。建物の周りに、夏などには快い日陰を作る木々を配置し、丘陵から水場まで続く緑のベルトによって風や小動物の通り道を設けるなどの住環境へ戻るべき時代になりつつあると、思います。樹林を大事にし、大切に使う文化の再興。伝統的な土壁やかやぶき屋根の技術の復活。簡単なことではありませんが、このような方向も真剣に考えるべきではないでしょうか。
水についても、遠方からパイプを通して、消毒した県水を使うよりも、地元の水源や井戸を大事にするべきです。韓国では、都市化が進んだ時代に暗渠化された水路を、一部、復元する事業がされています(「ナチュラルアイ」2008/11)。日本でも、かつては、河川改修が生物多様性などの自然環境保全の視点なしに進みましたが、今では見直しの動きもあります。ダムについても、考え直し、場合によっては、その一部を壊して自然を回復しようという計画もあります(群馬県みなかみ町の例。朝日新聞  2008/11/2)。
30年ほど前には、嵐山でも養蚕業が成り立っていましたが、その後姿を消しました。これからの時代には、衣類にしても、地元や近場で手に入る原料を使う他なくなるかもしれません。
食糧も、大量の石油を使って海外から輸入される食品に頼る時代は、長続きしないでしょう。都市部をも含め、中・小規模の菜園や農地を作り、自分たちがだす生ゴミなどから作った堆肥を利用し、種から育てた食べ物を、工夫しながら食べる方法を、若い年代の人々にも伝えることが必要だと思います。化学肥料や農薬よりも、土に生きるミミズや微生物、それに、草をも含める生き物たちの働きを生かす農法、土と水の生命力を生かし、そこから収穫される作物を食べる人々をも活かす農法への転換も考えるべきでしょう。

4)排出量、削減計画
EUでは、域内を離着陸するすべてのフライトに2012年からCO2排出枠を決めて削減義務を課す方針を定めました(朝日新聞 2008・7・6)。同様の考え方は、国家の枠を超える多国籍企業にも適用されるべきだと思います。
自衛隊によるCO2排出量は、2006年度には約357万tでした(朝日新聞2008・8・15)。
(ちなみに、これは、寄居のホンダ工場で排出されると予想される量(年間約15万t)の約22倍になります。)演習を含めての軍事行動に伴う排出量の情報公開、排出枠設定と削減義務を課すことも、必要だと思います。
京都議定書では、2008年〜2012年を削減義務の対象期間と位置づけ、日本は1990年を基準として6%の削減が義務付けられています。しかし、2007年には、基準年と比べ8.7%も上回るという結果になっています。炭素税などについても、まだ具体的になっていません。
もうひとつ、大きい問題として、排出量の計算方法のことがあります。法律(地球温暖化対策推進法)では、一定以上の規模の事業について、各年度の排出量の報告が義務付けられていますが、排出量はその年度の稼働に伴うものだけです。たとえば、原子力発電の場合、核燃料精製に大変なエネルギーを必要とし、また、発電に伴って、大量の温排水がだされ、さらに、使用済み核燃料の処分には膨大なコストとリスクが伴いますが、これらに係るCO2排出は、計算には含まれません。天然ガスについても、ボーリングによる自然破壊、長距離輸送の際に必要となる、ガスの液化のための、絶対零度に近い温度までの冷却に伴うエネルギー使用などは、計算から除外されます。そのうえ、事業が国外で行う仕事に伴う排出量については、報告義務がありません。表面にでてくる排出量の陰に、見えなくされている大きな排出量が隠れています。この報告でも、各種の活動に伴う排出量をあげました。また、各自治体でも、排出量計算を求められ、そのためにたいへんな作業が必要になります。排出量の評価は必要だし、法律による計算も、めどとしては、意味があるでしょう。しかし、そこには、大きい問題もあることは、見ておくべきでしょう。排出量の細かい計算よりも、まず、これまでのエネルギー大量消費、廃棄物大量排出の仕組みから脱却し、大地に根差す生活に向かって方向転換することこそ、大切でしょう。

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活動目的と活動内容
<活動目的> 彩の国資源循環工場についての活動を通じて、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会の仕組みを見直し、地球にやさしい本来の資源循環型社会を目指します。 <主な活動内容> ・松葉によるダイオキシン類・重金属類調査と報告会 ・桜(ソメイヨシノ)異常花発生率調査[桜調査ネットワーク] ・小川町、寄居町の小中学校健康保険調書による疫学的調査 ・アサガオによる光化学スモッグ調査[埼玉県環境科学国際センター] ・埼玉県へ意見書・要望書・公開質問状 提出 などなど…ぜひ、あなたの力をお貸しください。 いっしょに活動する「正会員」、イベント情報受け取れる「賛助会員」があります。

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